
藁は、米づくりの副産物ともいえる素材です。全国有数の米どころでもある会津地方では、古くからさまざまな藁細工が使われています。
藁には「神聖な素材」という特徴もあることから、福島県内では、福島市の「大わらじ引き」や、会津坂下町や会津美里町の「大俵引き」といった藁を用いた大規模な祭事も行われています。
今回の企画展では、人々によって生み出され、守られ、引き継がれてきた「藁の文化」がさまざまな視点で紹介されていました。
わたし個人としては、藁人形のアート的な側面に興味を持ち、この企画展に行ってみた次第です。
そもそも、全国各地にある藁人形やしめ縄って、いったい誰が最初にデザインしたのでしょう。どうもわたしは、作品に遭遇する度に、「それを生み出した人」を見ようとする癖があります。なんでしょう。わたしにとってアート作品とは、「つくった人に通じるドア」でしかないのかもしれません。
そういえば、タグチ・アートコレクションの田口美和さんも、テレビで「入り口」という表現をされていたと思います。
詳しくは、以下の記事で書いています。
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工業製品が普及した今の時代は、会津若松市内などのいわゆる「町場の暮らし」において、藁細工に触れる機会が激減しています。
でも、市街地を少し離れて南会津などに足をのばすと、地域住民が年中行事としてしめ飾りなどをつくり、地元の神社に祀り、その想いや歴史を後世に受け継ぐ活動が未だに残っているわけです。
一方で、伝承や継承といった人々の営みに着目すると、近年では、一般企業においても、「組織(集団)」よりも「個」の力が強くなったことで、いわゆるベテラン社員の経験や、鍛錬から生まれた技術などが受け継がれにくくなっています。
そんなわたしも完全に「個の力」で勝負しているわけですから、所属企業の成長や組織力向上への貢献はあまりできていません。
でも、だからこそ最近は、職業人である自分が「どのようなバトンを後世に引き継げるか?」について、真剣に考えることが多くなりました。
今回の企画展を見て思ったのは、山間部などに暮らす人々が本当に受け継ぎたいのは、「藁細工の作り方」などの技術的ものではなく、それより深いところにある以下のような本質ではないかということです。
人間は大人になると、それぞれが違う仕事に就き、生活環境や立場も異なる「いわゆるバラバラ」みたいになっちゃうわけですけど。
でも、自分の仕事や活動などの大切なものを究め抜く(極め抜く)と、最終的には大半の人が、この2つにたどり着くのだと思います。それは、地球に住まわせてもらっている一人の人間として、身近な自然や自分の近くにいる人々を愛せる状態です。
いわゆる「汝、隣人を愛せよ」みたいな話です。各自が身近な人と自然の両方を愛そうと努めれば、この地球上の問題の大半は解決し平和が維持されるのだと思います。
最近流行っている言葉を使えば、脱炭素化社会のカーボンニュートラルやSDGsなどは、まさにそういう営みの延長上にある概念ですよね。(こういう横文字ではなく、もっとわかりやすい日本語にして欲しいものです。。)
わたしたち大人は、各自に大事なものがあって、バラバラの方向性で生きているようにも見えると思います。でも、それぞれの道を究めた人の着地点は、意外に同じであるということに最近気づくようになりました。
例えば、藁細工を通して温暖化による農業の問題や脱炭素化社会について考えてもいいですし、飲食業をやりながらSDGsに興味を持ってもいいでしょう。
一人ひとりの専門分野や立ち位置は大きく違うわけですが、「身近な自然と人を愛する」ということを大事にすると、不思議と縁遠い業界のことも自分事になってくるのだと思います。
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部門展示室「歴史・美術」では、「ふくしまの焼きもの2 会津本郷焼」が開催されていました。このテーマ展は、撮影OKでした。



この茶色い鉢(?)は、鰊の山椒漬けをつくる器ですね。



会津地方では、金継ぎのことを「漆継ぎ」と呼ぶみたいですね。そういえば、Cafe Darrent(カフェ ダレント)さんでも、こだわりのお皿を金継ぎしながら大事に使われていました。(以下の写真は金継ぎとは無関係です。おすすめスイーツを盛り合わせてもらった裏メニュー(?)になります。奥の急須は南部鉄器だそうです。)

ダレントさんも、さまざまなところに愛が感じられるお店だと思います。
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企画展に関連する過去の図録が、半額ぐらいで販売されていました。
今回は、特に気になった「生の中の死」を買いました。この企画展は、近世・近代の史料を通して死を身近に捉える内容だったようです。興味深いですね。わたしは、死(タナトス)が感じられるアート作品も大好物です。

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歴史・美術の部門展示室では、2022年2月5日より「福島を伝える ~震災とアート~」が始まります。

最近のわたしは「震災とアート」のように、一見まったく関係がなさそうなものをあえて関連付け、枠組みにとらわれず横断的な考察をすることがマイブームになりつつあります。
例えば、震災という言葉や出来事に対して、福島県民のなかにも以下のように真逆の考え方があります。
・自分にとって大事な出来事だから、もっとみんなに注目してほしい
・自分にとって目を背けたい出来事だから、なるべく考えたくない
どちらの考え方も間違いではありませんし、自分の気持ちは大切にしたほうがいいとは思います。でも、その想いが強すぎた場合、自らが望む啓蒙や相互理解とは真逆ともいえる「分断のきっかけ」になる可能性もあるのです。
そういうことを感じ始めてから、自分の大事な何かを表現する際に、それ単独ではなく何かと関連付ける手法をよく使うようになりました。
少し前に紹介した「なかにわ美術館」も、アートと人々の交流を関連付けることで、芸術というものに新たな価値や可能性を創出した好事例なのだと思います。
そして、この取り組みは、アートイベントの開催が難しいコロナ禍において、展覧会や美術館の持続可能性(サスティナビリティ)の模索、いわゆる
SDGsにつながってくるのでしょう。
この博物館は、今後もわたしの知的好奇心を刺激してくれそうだと思い、1,500円の年間パスポートをつくってきました。この縦ストライプは、会津木綿のデザインみたいです。

福島県立博物館では、3.11東日本大震災について伝える活動にもかなり力を入れていらっしゃいます。そんな博物館の考える「震災とアート」がわたしたちに何を投げかけてくれるのか、今からとても楽しみです。
今回もありがとうございました。
●福島県立博物館
●住所:福島県会津若松市城東町
●電話番号:0242-28-6000
●開館時間:9時30分~17時
●休館日:毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始 など
●公式ホームページ:
https://general-museum.fcs.ed.jp/
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